324日(日)、中1の末っ子が成田から英国に向けて旅立ちました。8月末までは準備校、その後9月にボーディングスクール入学となります。順調に行くと今後最低でも56年は英国で過ごす事になり、わが家は一気に寂しくなってしまいました。以前から英国の教育システムには一目置いていたのですが、まさか自分の息子が英国で教育を受けることになるとは予想もしていませんでした。


日本を再生させるためには、まず教育制度をドラスティックに変える必要があると言われて久しいのですが、戦後まもなく70年近く経とうとする今になっても、GHQの命を受け作成された教育基本法は、残念ながらほとんど変わっていません。 


世界の先進国を見ると、まず間違いなく、国家として本気で教育問題に取り組み、多くの予算を割いて国家の明日を担う若者たちを育成していますが、学校教育費を対GDP比で見ると、トップのアイスランドに比べて日本はその半分以下、と断トツの最下位であり、教育に対する支出が世界的に見て如何に低いかが分かります。


こんな中、息子に英国で教育を受けさせようと決意させるにはいくつかの理由がありましたが、一番の理由はその教育システムの素晴らしさでした。

生徒たちは、学力の進達度に応じて少人数のグループに分けられ、グループごとに指導を担当する教師の部屋を訪れ、そこで授業を受けます。日本のように教師が生徒たちの待つ教室に来るのではなく、生徒が先生の教室に行くわけです。数学の試験なども、その思考過程を重視し、途中まで正しければケアレスミスで最後の答えが間違っていても、かなり高く評価されます。教育の基本はARTSPORT STUDYであり、この3つのバランスがとれた学生を育てることを目指しているようです。また漫画、ゲーム、インターネット、etcに関して、青少年の心身の健全な発育上ベストと思われるルールをはっきりと校則化し、これを毅然として実行する学校の姿勢には共感できる部分が多くありました。広大な敷地と恵まれた施設の中で寮生活を送る生徒達。教師たちも大半が家族やペットと共に同じ敷地内に居住し、熱い情熱と高いプライドを持って子供達の教育に専念しています。


こんな恵まれた環境の中、自分の息子が「話すことは学ぶこと」という英国の教育方針の下、説得力を持って論理的かつ紳士的にディベートする能力を身に付けて帰って来てくれたらなあと夢想して淋しさを紛らわせる今日この頃です。