8月16日から1週間ほど、夏休みを利用して家族で南イタリアに行って来ました。昨年と違い今年は二人の息子達が同行する事になり、いろいろな意味で期待を膨らませての旅行となりました。

成田からローマまで12時間半ほどのフライト、そして飛行機を乗り換え30分程でナポリに到着です。ナポリ2泊、アマルフィ2泊、ローマ2泊という日程で慌ただしく南イタリアを回って来ましたが、中でもアマルフィの絶景はあらかじめ映画やTVで見てはいたものの、本物の迫力にはやはり圧倒されるものがありました。


日本にも同じような地形はありますが、一見すると住みにくそうな、海にそそり立つ複雑な海岸線を、これ程までにお洒落にアレンジし、そこで逞しく毎日の生活をエンジョイするイタリア人のセンスの良さ、エネルギッシュな生命力を肌で感じて来ました。


映画「アマルフィ」で使われたサンタ・カテリーナホテルは元々修道院だった所で、絶壁に突き出したロケイション。ホテル内のエレベーターでストンと10階分ほど下ると、そこにはまるでコートダジュールに来たようなお洒落な空間が広がります。息子達が海で泳ぐのを眺めながら快適なデッキチェアに身を横たえると、さり気なく飲み物が運ばれて来ました。アマルフィの絶景と地中海の海の青さを眺めながらここで過ごした時間は特に記憶に焼き付いています。


イタリアの財政状況は相変わらず厳しく、修道女の希望者は多いが、基本的に寄付で成り立っている修道院の運営資金が集まらず閉鎖される施設が後を絶たないと聞きましたが、こんなお洒落なホテルに生まれ変わり、雇用にも貢献するのであれば、これも時代の流れかと思いました。

さてアマルフィの背後、その山手地区にRAVELLOという街がありますが、落ち着いた雰囲気の素敵な街です。ここで毎年6月から10月まで、海に突き出した特設ステージを設営し、毎週2~3回開催されるコンサートを中心としたRAVELLO FESTIVALというイべントがあります。クリントン大統領夫妻も来たことがあるとガイドが話していましたが、ステージの背景にアマルフィの絶景を見下ろすロケイションが最高の演出となっており、次回はこのコンサートを目玉に再訪したいと思いました。  
         
元々イタリア料理は大好きで都内にはお気に入りのレストランが沢山ありますが、今回の旅行でもガイドブックに頼らず、東京で行きつけの店のシェフや友人達からの情報を元に徹底的にリサーチし、楽しんで来ました。総評として味の繊細さや、料理を出す際の演出などは東京のお店の方がレベルは上かなと感じましたが、アマルフィの絶壁に突き出していたり、港のヨットハーバーに面していたり、ホテルのルーフトップでローマの圧倒的な夜景を眺めながらなどなど、店のロケイションはどこも素晴らしく、人懐こいイタリア人スタッフの接客も含め大いに楽しむことが出来ました。また現地のガイドやホテルのコンシェルジュの提供するUpdateな情報もかなり役立ちました。やはり英語は世界中どこへ行っても役に立つ便利なツールで、情報収集と交渉事を有利に進める上でとても役立ちました。今回は特に英国留学中の息子が一緒だったので私の負担は大分少なくて済み、楽をさせてもらいました。

日本代表監督を退任しイタリアに戻るザッケローニ監督が、離日に際し日本のサッカーファンに送ったメッセージの中で、来日前は日本でやっていけるのかと不安を感じていたが、日本における世界一快適な生活に慣れてしまった今、故郷での生活に不安を感じているというコメントをしていましたが、正に今の日本の、特に東京港区での状況を言い当てていると感じました。

世界一安全で清潔。世界中の料理が、最高の接客と最高レベルのテイストで食べられる。まだまだ根強い外人コンプレックスのおかげで、外国人(困った傾向だが、特に英語人)に対して極めて控えめで親切な国民性。もしも時間的、経済的に恵まれた状況で港区に住むとしたら、おそらく世界一居心地の良い日常が送れるのでは感じています。本当に東京は地方都市の衰退とは裏腹に、どこへ行っても人があふれており、あらゆるENTERTAINMENTがここに集中している感があります。

しかしながら政府の地震調査委員会の発表によると、今後30年以内に70%、5年以内に30%弱の確率でマグニチュード7.0以上の首都直下型地震が起こると予測しております。多くの地震学者達の指摘にも拘わらず首都機能移転の議論が頓挫したままなのは理解に苦しみます。歴史をひも解くと、栄華を極め没落して行った多くの都市の名前が浮かびますが、東京がこのリストに並ばぬことを祈らずにはいられません。
 
とりあえず私は、この街に不動産を取得する事は避け、ベースキャンプは賃貸として、短いスパンで、港区の中でも特に快適なエリアに立つ新築のマンションを住み歩くのがベストチョイスではないかと考えています。